| 焼肉食いたい! | ▲戻る | |
駅近くの路地、居酒屋やスナックが密集している飲み屋街の中に店はあり、トタン張りの外観、入口の横の壁から銀色の排煙ダクトが天に延びる。 店の入口には大きな暖簾 紺色の生地、赤字に白フチで「焼肉ホルモン」の大きな文字、 その横に小さく店名が書かれている。 油の染みがついたソレはちょっと古ぼけているが、 汚いという印象は無い、 長年そこで営業してきた勲章である。 暖簾ごしにのぞくとカウンターに座ったサラリーマンやOLがビールを飲み、隅のほうのテーブルでは作業服を着たオトン(お父さん)とその家族が楽しそうに焼肉をつついている。 ガラガラガラと引き戸をあけて入る。 「らっしゃい!!」 元気良く大将と女将が出迎えてくれる。 「一人、、、」と小さく指で人数を告げ、カウンターの隅に座ると、 ほどなくして、女将がオシボリを持ってきてくれ、 目の前のコンロに火をつけながら、 「飲み物は何にしましょう?」と聞かれた。 |
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「ビールを一本」、ここでは生ビールなんて高級なモノは置いていない、 ビールも大瓶のみで、あとは酒と缶チューハイだけである。 ジュースも無い、子供にはよく冷えた麦茶だけである。 コンロの炎であぶられる網は何回も使いまわされたモノ、 しかし綺麗に洗われていて、ところどころ銀びかりている。 使い捨てではない重厚感がある。 それをぼんやりと眺めていると、ビールと付出しが置かれた。 コップはビール会社の名前が入った安っぽいコップ、 付出しは自家製の白菜キムチ、 昆布がタップリと使われているので独特のぬめりがある。 「なんにしましょ?」女将は笑顔でたたずんだ とりあえず生ギモとシマチョウ、ツラミ、ハラミを注文。 この店、どれもが一人前350円、一番高いロースも500円である。 注文した後、キムチをツマミにビールを飲む。 うまい、とろとろキムチの辛さが口の中を燃え上がらせ、 よく冷えたビールが口の中を冷ましながら喉の渇きを潤していく。 カウンターではサラリーマン二人組み、土建屋のおっちゃんが一人、 買い物帰りのおばちゃんとその娘さん、 向こうの席ではOL二人組みが食事をしている。 テーブル席の家族連れは子供が嬉しそうに肉をほお張る。 オカンはそれを見ながら肉をひっくり返し、オトンはビールをあおっている。 どのグループのどの顔も楽しげに笑い、幸せそうな食事をしている。 大将は大きなまな板の前で肉を切り分け、 量りにのせたステンのボールにそれらをほおりこみ、 モミダレを入れ混ぜて皿に移すし女将へ。 女将はその皿を持ってきて目の前においてくれる。 程よく焼けた網の上に脂のタップリとついたシマチョウを置くと、 じゆぅぅぅと熱さを避けるかのように丸まる。 脂が下に落ち炎と煙が時折立ち上がる。 肉の焼けるにおいとモミダレの香ばしい香りが鼻をくすぐる。 ![]() 肉汁が落ちきってしまうので、あまりひっくり返してはいけない、 ひっくり返したい衝動を抑えながら、タレに唐辛子味噌をタップリと溶きいれる。 それを箸で舐めながら、ひっくり返し時をよく見極める。 ここぞと思った瞬間、素早くひっくり返す。 よい程度に焦げ目がついた面がジュウジュウといいながら上になる。 生唾を飲み込む、たまらずキムチを一口ほおりこみ、 コップのビールを飲みきる。美味い! ほどなく焼きあがったシマチョウは 辛味噌のタップリ入ったツケダレに落とされ、口に運ばれる。 美味い! 何がどううまいとか、そういうこまかいことは置いといて、自然とビールが進む美味さだ。 そうこうしているうちに生ギモが出てきた。 少しブ厚めにスライスされた生ギモ、上にかかっている青ネギも ミズミズしくてみじん切りなのにシャキシャキ感を感じることができる。 皿の横にゴマ油の瓶と味塩の瓶がトンと置かれる。 ここでは、自分の好きなようにゴマ油をかけて味塩をふって食べるのだ。 ゴマ油をのの字に3周ほど回しかけ、味塩をパパパッと多めにふる。 ネギを中心に生ギモを丸めネギを落とさないように一気に口に運ぶ、 シットリとした少しぬめりのある生ギモは独特のクサミが無く、 キモとしてり芳醇さが全面に押し出されている。 新鮮な生ギモを使っているとのことだ。 スタミナがついて仕事で疲れた身体にも良さそうである。 それを食べながら次のツラミやハラミなども焼いていく。 一人で食べているので、焼き・食い・飲みをイッペンにしなくてはならない、 しかし美味いから自然とペースは上がってしまい一気にヒートアップしてしまう。 視界は目の前のコンロとビールしか見えなくなり、一気に焼肉へと集中されていく。 ![]() 瓶ビール(大)一本で最初注文した肉類を食べきり 次は白ご飯とロースを一皿注文。 でてきたロースは一人前500円は安すぎるのでは? と、思われるほど綺麗なサシの入った肉。 それらを丁寧に網に並べ丁寧に焼く。 再度ひっくり返したい衝動を抑えながら我慢して焼く、 表面には肉汁がうっすらと浮いてくる。 その瞬間を見極め肉をヒックリ返し、 さきほど出されたアジシオをホンの少し表面にパラリとふりかけ すぐさま白メシの上に置く このロースは焼きすぎるともったいない、 限りなくミディアムレアで食べるのが美味い。 ![]() ご飯の上にのった肉を、周りのご飯と一緒にほお張る。 感動的な脂のまろやかさと 塩気の効いた肉のうまみがご飯の甘みと合わさり口の中で広がる。 我を忘れて、次から次へと焼きあがったロースをご飯の上にのせてはほお張る。 「幸せという言葉はこのためにあるのだろう」と 頭の中でかすかに感じながら一気に食べきってしまう。 「ふぅ」小さくため息をつき、これにて焼肉を終了 缶チューハイの(ゆず)を注文し、勘定をしてもらう。 「シマチョウ・ツラミ・ハラミが各300円 生ギモが400円、ビールが500円、飯が100円、 缶チューハイが200円、キムチはサービスなのでしめて2100円!」 大将がカウンターの中から女将に値段を伝える。 なぜ100円単位なのかと言うと、 小さい頃から計算が苦手で繰り下げて値段を安くしてまでも、 分かりやすい値段にしたかったと大将は優しく笑う。 勘定を女将に払い、「ごっそさん!またくるわ!」 「ありがとうございました!」とこれまた大きな返事、気持ちがよい。 それにしても安い! 美味いし雰囲気ええし楽しかったなぁと 食後の口直しとして缶チューハイを飲みながら帰路につく。 しばらく歩いて、、、 「あっ!おっちゃんロースの勘定入れ損ねてるやん!」 計算以前の間違いに苦笑しながら、 フラフラと帰ってきた道を店に向かって戻るのでした。 |
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| (注意!) すべてカトキチの妄想です(^^;) | ||
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